雨上がりのあの場所で攻略感想

全ての物語は、美しいモノたちとともに。

ある朝、ひとりの美しき少女が梅雨とともに訪れる。
それは涼に贈られた、雨景色からの便りであった――
これは、『美しいモノたち』に魅せられた、ひとりの少年の物語。

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ありとあらゆる『美しいモノ』を求める主人公とその仲間たちが織りなす、学園恋愛ADV。
選択肢によって変化していくストーリー、そしてその結末。
笑いあり、涙あり、そして切ない雨の物語です。(公式より)

10年前、主人公である涼は、山で遭難した……らしい。

幸いなことにけがはなく、数日の入院の後に退院となったが、遭難する以前の記憶はなくなっていた。

事故以前の「自分」のいない今となっては、なぜそのことが起きたのか知りようがなく、ただ大切なことがあったような気がするという気持ちだけが残っていた。

幼馴染である結葵、ノリの軽い男友達の心太、元気な後輩の陽花と日常を過ごしていく中、怪しげな部活の勧誘を受ける。あっという間に心太、結葵は入部し、直接部長の美澪からも勧誘を受ける。悩みぬいた末に、人間関係も自分自身の過去も全部ひっくるめて楽しむため、その学校生活に彩を加えるため、入部を決意。陽花も巻き込み、非電源ゲーム研究会(アナログゲーム、ボードゲーム等のこと)が発足する。

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非電源ゲーム研究会、通称非電研の活動。まずは休部状態だったためにプレイできるゲーム自体がないため、ゲームを買うことから始まる。来たことのないショップにずらりと並ぶ世界各国のゲームに驚き、経験者である先輩に聞き、または自身の直感で買いたいゲームを選ぶ。その時間もまた楽しく、気が付けば長い時間が経っていた。

買ったゲームを持ち寄り活動開始。本場ドイツのメジャーなゲーム、カタン。

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始めはルールの把握にてこずっていたけれど、プレイを重ねる毎に理解し、楽しそうなプレイ風景が伝わってきた。

そして週末には小旅行。通称サイコロの旅。目的地は日本のベネツィア、伊根町。

海に向かって切り出された舟屋群はまるで海に浮かんでいるかのような様相の、美しい世界だった。

間違いなく、初めてきた場所なのに、この光景を知っていた…。

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伊根町、舟屋群で強烈なデジャヴを感じるまでが共通√の流れ。

この物語は全五章からなり、三章が個別√となる。

始めに陽花、美澪部長、結葵を攻略後、冒頭の雨の日に出会う少女かすみとの√が攻略可能となる。

攻略する場合は陽花、美澪部長は順不同、結葵を最後にすることを推奨。

陽花、美澪部長については割愛。けれど決しておざなりにしてはならない要素もある。

陽花√では異様な雰囲気に包まれているが、妙な好奇心に取りつかれる幽霊屋敷。美澪√ではこの世ならざるモノに関わる。このことが後のトゥルー√にも繋がってくる。

重要なのは結葵√。

幼馴染である結葵からの好意は感じるが、自身が感じる気持ちは恋愛感情なのかに悩む。

けれど付き合いだしてからが始まりでもあった。

異様なまでの結葵の涼への依存。涼の過去を探ろうとすればするほど、おかしくなる。危ういバランスで成り立っている心。

何かを隠しているのはわかるのだが、それを暴くのははばかられる。危ない場面はあったもののそれは明らかにされず。結葵のおかげで今の「自分」があるということ、結葵が涼を好きで涼が結葵を好きだという事実が重要だということを伝え、いつか話してくれることを願って終わる。

そしてトゥルー√であるかすみ√では結葵とともに、過去の記憶を探る。それと共に感じていく結葵の不審な点の数々。たびたび町で出会うかすみへの疑問。病院の医師、看護師から聞く話や、当時の同級生、またその親から聞く話。小さな欠片から辿り着いた、幽霊屋敷。そこで見た詩集により過去の記憶がよみがえってくる。

子どもだった自分自身の無力さと、結葵の罪が暴かれていく。

総評

公式の紹介文では、記憶喪失設定の説明はなく、普通の恋愛アドベンチャーだと思うだろう。

だからこそ、途中からのシリアスさは少し予想外かもしれない。

記憶喪失の主人公であるからして何らかの問題が発生することは容易に想像できる。だからこそ面白くなる。

楽し気な日常会話、ボードゲームのプレイ風景の中、時折見る悪夢や、デジャヴ、メジャヴにより程よく不穏な雰囲気も感じられることがいい塩梅だった。このことで続きが気になり読み進められる原動力となっただろう。

そしてトゥルー√。前述の通り過去の記憶を取り戻し、結葵の罪が暴かれるわけだが、そこでもし自分が涼の立場だったならとつい考えてしまう。そうだとしたら、かすみが許したとしても、物語のように許せただろうかと。物語としては綺麗だし、事実子どもだったあの時分では仕方ない部分もあったのだと理解はできる。だけど理解できることと納得できることはまた別物だろうと。

だから個人的には、終盤に選択肢が欲しかったところ。どうしても結葵のことが許せなく疎遠になったり自暴自棄になってしまうような分岐が。

もう一つ惜しむところはCG鑑賞やBGM鑑賞がないこと。サントラの販売はあるけれど、自分はゲーム内で軽く見たり、聞いて振り返れればいいと思う程度の人間なので。そういう面でも同人作品だから多くを望んではいけないのかな?と思ってみたり。

しかしながら、物語を形作る全体的な雰囲気、そして締め方はまさに美しいモノたちに魅せられた物語。梅雨の時期になればふと思い出してしまうかもしれない、そんな物語となった。

……ついでにボードゲームやってみたくなった。元からアニメのさいころ俱楽部や妹さえいればいいの影響で興味はあったのだけれど。まず形から入るタイプで、面白そうなものをプレイ動画見ていくつかすでに買ってしまっていたり。(プレイ場所や、プレイする友達の確保の方が…)

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