空に刻んだパラレログラム攻略感想

物語前半、体験版部分については割愛。体験版までの内容、印象から知りたい方はこちらへ。空に刻んだパラレログラム体験版攻略感想

体験版以降は第二部内トーナメントを戦い、ダンスマカブルを目指していく。

まず初めに、この物語は青春群像劇である。物語中、何度も始点が切り替わり、過去回想も多く挟まれる。全ての対戦相手の試合に懸ける思い、ダンスマカブルに懸ける思い、なによりも、勝ちたいという思いが伝わってくる。

この作品は登場人物が多い。よく言えば人となりが理解でき感情移入もしやすい。悪く言えば過去回想による説明がくどい。特にほたる先輩の苦悩に関するところは同じような語りが何度もあったような気がする。そして他の登場人物が掘り下げられるほど、主人公の空気感、置き物感が増していった。影での努力も悪くないが、もう少し本音や情熱を前面にだして存在感を示して欲しかった。

主人公の立ち絵がないのも致命的。Hシーン中に、こいつ白髪だったんだ……と気づく始末。

結論から言えば、第二部内トーナメントは優勝となる。ここで選択肢が出て、トゥルーか個別か分かれるわけだが……。スクリーンショット (973).pngダンスマカブルを本気で目指していると答えると、奇跡的に第二部内から10年振りのダンスマカブル出場。出場できなくてもいいと思うを選ぶと選出されず、チームとしてのシーズンが終了となる。そして四人のヒロインのうち誰が気になっているかを選び、個別と進む。スクリーンショット (975).png個別に関しては特に言えることはない。

補足のためのショートストーリー。諦めた後の物語、後日談のようなものにしか感じず、恋愛描写も少ない。(柚以外は付き合いも長く、突然恋愛感情が芽生えたというわけではないが)

シーン数は各3で、尺もかなり短い。とは言っても、Hシーンを目的にウグイスカグラの作品を買う層も少ないと思うのでそこはそういうものだと思う。

むしろこの程度なら必要なく、完全に一本道にして、クリア後の後日談として個別ルートを作った方が良かったのでは。

そしてサブキャラであるイーリスも歩に想いを寄せているのだが、報われない。

あるルートでは想いを告げるが玉砕。あるルートではお似合いの二人を見て、割り込む隙間もないと諦める。少しはこの健気で頑張りやな後輩の報われる展開が見たかった。スクリーンショット (968)スクリーンショット (969)

ダンスマカブルへの出場が叶う場合も、もう少しひと悶着があってもよかった。第二部内からは選ばれないことが普通であり、選ばれたことが異常。選考委員会的なものがあれば意見が真っ二つに分かれるんじゃないだろうか。実力順なのは当然だが、実際にはどういう仕組みでダンスマカブルに選ばれるチームが選出されるのかわからなかったように思える。

総じて、部活青春物語としては悪くはない。悪くはないが期待を上回ることはなかった印象。

もちろん試合展開はどれも面白く、自身の不調やチームメイトとの不和により、どうにも上手くいかないことを悩みながらも解決、成長していく姿は良かった。しかしながら架空のスポーツ。思ったよりも戦略や行動が単純なものが多い。試合中の流れる雲の動きももう少し早い方が臨場感が出せたのではないか。そういった部分での難しさを感じた。

トゥルーのダンスマカブルへ出場が叶う展開も、いわば共通部分の延長。とんとん拍子で勝ち進んでいき、EDまで行ってもカタルシスのようなものは得られず、なんだか淡々とした気持ちで読んでしまった。前作までと同様に、ED曲が存在しないことも個人的には残念。(スタッフロールはあるが)そのせいでクリア後の余韻に浸れず、感慨がわきにくい。

物語外でのもので評価を下げたくはないが、前作に引き続き誤字が酷かった……。次回作では今度こそ改善して欲しいところ。

全体的に物足りない部分が多かったが、ウグイスカグラというブランド力に期待しすぎてしまった面もあるだろう。前作までと違った世界観による挑戦作品なわけだから仕方ないのだが。それでもウグイスカグラの作品は好きなのでこれからも買うと思う。

…………今回の内容、パッチの騒動等を考慮して、予約新品買いするかは要検討。

 

 

 

 

 

 

 

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