しずくのおと攻略感想

今回も前回に引き続き同人サークル、あいうえおカンパニーさんの作品。ジャンルはホラー・サスペンス。FATAL TWLVEが面白かったのでサークル買い。ただのホラーではなく引き込まれるシナリオだった。

物語

都心にひっそりとたたずむ満天水族館。
満天水族館には様々な噂がささやかれていた。人面魚が泳いでいる、水槽の中に人の霊が見える、満月の夜に水槽の水が全て赤色に変わってしまう―。

中学生の真弓と姫乃はその噂を調べに満天水族館へ行くことに。
始めはただの楽しい水族館だったが、行方不明の妹・真里が五年前と同じ姿で真弓の前に現れてから状況は一変する。
真弓は姫乃と些細なことから喧嘩をし、一人走って行く。気付けば何もかもがおかしい恐怖の水族館に閉じ込められていた…。

(公式サイトより)

この作品最大の特徴は4つのトゥルーエンドと27つのバッドエンド、計31のEDがあることだろう。このことだけでもこの作品の力の入れようが伺える。選択肢の色が赤い場合だとバッドエンド、即死コース直行となる。逆に青い場合だと進行に無関係な選択肢と分岐に必要な選択肢となる。とは言っても青い選択肢は少量、ほとんどが赤い選択肢だったので、常に死と隣り合わせ、綱渡りの状態だった。どちらの選択肢がバッドエンドとなるかはわかりやすいので選択肢で常にセーブしやり直すことで回収は容易。容易だけれど、若干作業感があった。それも特別な意味のあるバッドエンドは少なく即死に繋がるパターンが多数を占めることが要因。

スクリーンショット (63)自分がプレイしたこの作品はリメイク版であり、新たなトゥルーエンド、バッドエンドを多数追加、ボーカル曲の追加等、様々な面で強化されたものである。リメイク元のEDはトゥルーエンドの内の左二つ、こちらはエピローグが多少異なるだけで大筋は同じ。きれいな終わり方をするが、まだ残されている謎が、真実の更に奥と呼ぶべきものが存在する。追加された二つのトゥルーエンドを見ることによってこの作品は完成されたと言えるのだろう(言わずもがな購入した人はエンディングリストのコンプリートを目指すだろうけれど)。

この作品はホラーではあるがグロはそれほどでもない。文章もそれほど恐怖を煽るものでもなかったと思う。けれど、BGMや、腐った魚に群がる羽虫の音、ガラスの割れる音、またキャラクターの動き等の演出に優れていた。うわっ!と思わず声を出してプレイしてしまったときも多かった。

序盤はホラーテイスト強め。理不尽な状況に立たされ、何度も死の危機に瀕する。中盤以降、過去の満天水族館の日誌を読むあたりから、満天水族館で起こる事象の解明、館長の死に至るまでの経緯、行方不明だった妹、真理の真実へ向かっていく。若干の恐怖を憶えながらも、引き込まれ、夢中で読み進めた。

追加されたボーカル曲、OP曲とED曲が良曲。OP曲からはこれから始まる未知への恐怖、ED曲からはこれから始まる新しい日常への気持ちが表れていると思う。このOPに魅せられたということも購入の決め手でもあった。

この作品が1300円程度で楽しめるのなら大いに満足。

新作のFATAL TWLVEは百合もあったけれど、こちらの展開は純粋な百合ではなくあくまで親友。女の子同士の友情だったり、家族を想う親愛。恋愛要素はほぼないADVなので、一風変わりながらも純粋な物語を求める人におすすめ。グロは苦手でも微グロなら大丈夫という自分のような人なら大丈夫。グロと微グロの線引きは曖昧だろうけれど。

ここから以降はリメイク元のEDまで至る物語の大まかな道筋とそれについて思ったことを書き連ねようと思うので、ネタバレを避けたい人はここまでで読むのをやめることを推奨、と。

 

 

 

最初は普通の水族館を楽しめていた。けれど行方不明だった真理の姿を見たことにをきっかけに仲違いをしてしまう。そして迷い込んだところは人気がなく、魚が水槽の外を泳いだりしている奇妙な水族館だった。クラゲに襲われていたところを助けられたことにより日吉憲二と行動を共にする。しかし突如豹変する日吉。それを振りほどき、一人の心細さを感じながらも水族館を進んでいく。

スクリーンショット (64).png道中、出会った少女、桜木砂夜。彼女は館長であった父親の死の真実を知るため望んでこの満天水族館に来た。これからこの少女とは、助け、助けられながら進んでいくことになる。そして見つけた職員の日誌。ここからこの場所は五年前、真理が行方不明になった時期と同じころの満天水族館だということ、同じ状況に陥った人物がいたことを知り、物語が大きく動き出すことになる。

 

少し展開を飛ばすが、砂夜と水族館の館長代理?である鷺沼理恵子との口論を真弓は目撃。口論の末、砂夜はガラスに頭を叩きつけられ死んでしまう。

スクリーンショット (68).pngその後一人になり真理の幻影に惑わされながらも、まだ確かめていない場所であり核心に触れる場所、館長室へ足を踏み入れる。起きる現象に立ち向かい、ついに館長の霊、そして先ほどまで共に行動し、助けられなかった少女、砂夜の霊と出会う。ついに語られる館長の死の真相。それは水族館の経営不振からなる鷺沼恵理子との対立。あくまで現在の、こども向けの施策で経営しようとする館長と、カップル向けの水族館へ変えようとする鷺沼恵理子。両者の溝は深まり、やがて館長の孤立、殺害へとつながる。先ほど砂夜と出会った鷺沼恵理子が逆上し砂夜を殺したのはそのことを言い当てられ、また鷺沼恵理子自身もすでに死んでいることを自覚させられたからだった。その後経営改善のため殺処分となった数多くの魚たちの怨念と、それに加え館長の怨念が核となりこの満天水族館は形成されていた。そして砂夜と出会えたことで怨念の指向性がなくなり砂夜と共に消えていく。スクリーンショット (69)満天水族館、最後の真実、それは真理の死の真相。それは鷺沼恵理子が館長を殺しているところを目撃してしまったこと。とっくに気付いていた。けれど認めて諦めたくなかった。真理と出会うことができ、別れを告げれたかのように見えた。ところがそこにまだこの満天水族館を終わらせたくない鷺沼恵理子が姫乃の体を持って現れる。物語は最終局面、深海魚ブース。

 

 

水族館と一つとなった真理の力を借りて鷺沼恵理子の怨念を振り払う。崩壊の進む赤い満天水族館。その先、出入り口と認識している場所を通ったとき、元の満天水族館へ帰りつく。全てを終えた後、再び満天水族館へ。理由は嫌な思い出の場所にしたくなかったから。真理と最後に遊びに来た場所。砂夜と出会い、友達となった場所。姫乃がどれだけ大切か分かった場所。苦しいこともたくさんあったけれど、楽しい場所であるはずなのだ。

スクリーンショット (46).png一部は端折ったけれどここまでが自分の通った一周目の大まかな流れ。これでも十分にホラーとして、サスペンスとして良い作品である。けれどまだ残った謎。真実に至るには序盤に出合うことになる日吉憲二。彼の豹変時逃げださず、正気に戻させること。そして砂夜が生存し、一緒に真実の解明、満天水族館からの脱出を目指すことが必要となる。その過程で、一周目では被害者と感じていた館長も見方が大きく変わるだろう。

追加されたトゥルーエンド。エンディングリストの左から3つ目がED曲のある、最もすっきりする、日常に戻れたEDだ。けれど最後の4つ目のトゥルーエンド。トゥルーでないともとれる展開。それにこそライターが最も伝えたいことがあった。多くは語らないが、それをどう感じるかはこの作品をプレイする人次第。

 

 

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